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この4号目は2018年から2020年にかけて私自身に起こった、重なり合うバッド体験をこの世から葬る為に制作がスタートしました。あの場所で何度も考えたのは、過去に戻る方法とパラレルワールドについてです。解読不能な文字で綴られた極めて個人的な自叙伝で構成され、様々なアーティストの作品と共にパラレルワールドに存在する多くの分岐点を考察しています。これはパラレルワールドから届いた私宛のメッセージであり、走馬灯のような記憶の断片でもあり、私自身に起こった様々な出来事や想いが映し出されています。

3号目までは自らをダークサイドに置いておくことで、そのムード生み出すことが出来ると信じ込んでいました。私はその錯視から覚め、それが自らの本質ではなく、一つの要素に過ぎないことに気づきました。

自分自身のナラティブに存在する様々な物語を他者の物語と重ね合わせ、夕方から夜が深まり、朝を迎えるような一連の時間軸の中で表現されています。私が昔住んでいた“あの場所”の気配を山谷佑介が撮り下ろし、YOSHIROTTENがエディットした作品から始まり、編集者、我孫子祐一氏が寄稿した20,000字に及ぶ自身の半生の記録につながります。また、純粋な視座で「REAL WORLD INTERFACE」と題したファッションストーリーをオノツトム、光崎邦生、YUKA HIRACと制作。カオスを調和させたこの撮影は私自身の中でとても重要な撮影でした。また、10代の終わりに出会い、常にエモーショナルな存在となっている片山真理との共作は、私と片山氏のパートナー(PSYCHOGEM)がアナログのドラムマシーンやシンセサイザーを使い、MIDIで同期させ、2人がセッションする姿を写真に記録したものになります。モンゴル出身のRYU IKAとの作品には、フリーレイブの概念の元になるT.A.Z.から引用した「POETIC TERRORISM」とうタイトルが付けられ、視線や目線を生み出す<目>についての作品が制作されました。ヘンリー・ダーガーと時空を超えた協業を実現させたKIDILLの2023年春夏コレクションを草野庸子が満開のコキア畑で撮り下ろした作品は、ユートピアと表裏一体となった狂気の世界観を表しています。その他、多数提供された作家の作品は、我孫子氏の個人的な物語のように、別の平行線の中で別の物語を作り上げています。これらを構成する言語は全て、オヒアナ氏が制作した架空の言語に置き換えられ、私自身の後書きによってこの作品は幕を閉じます。

パラレルワールドの分岐点が作る別の未来を唯一否定的にするのは現実の存在です。この過去と未来の分岐点に存在する現実だけが、どうしても戻りたいと思ったあのパラレルワールドを否定的にしてくれます。

― 島田辰哉

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