Palomo Lanna  (パロマ・ランナ)によって2014年に設立されたバルセロナを拠点とするブランドpaloma wool［パロマ・ウール］は、アーティスティックな探求への献身を特徴としている。設立以来、ファッションと他の芸術分野とのコラボレーションという並外れた掛け合いを企画し、パフォーマンス、写真、音籍出版、展覧会などで具現化してきた。創始者が独学で学んだ写真の探求と、幼少期に両親から受けたファッションの影響から、視覚的なイメージに対する前衛的なアプローチが存在する。プロセスは有機的に重なり合い、デザイン段階では、服だけでなく、将来的な資料や情報伝達も考慮される。その結果、イメージと衣服の間に一貫したつながりが生まれ、すべての衣服が持つイメージ、そしてそれぞれの特徴が衣服となる。実際、この一貫性は偶然の産物ではなく、このブランドによって語られるユニークな言語の反映であり、ビジュアル・アイデンティティの前例を作り、この分野における基準として位置づけられている。ナチュラルな美しさを追求し、意図をもってファッションに取り組んでいる。コレクションの美学は、フェミニンとマスキュリン、カジュアルと洗練のバランス感覚を融合させた独特のものだ。ディテールへのこだわりと遊び心にあふれたpaloma woolは、エフォートレスなスタイルの賛美であり、計画性を排除し、むしろ自発的で新鮮に感じられる服装を好む創業者の好みを表現している。繊細なニット作品や実験的なパターンの創造から、絶妙な衣服の重ね着や魅力的なファブリックのコントラストに至るまで、どのコレクションも細心の技術と感性を披露している。ブランドのアイデンティティに欠かせないのは、スペインの革細工の伝統に敬意を表したアクセサリーも同様だ。スペインとポルトガルの小さな工房を中心に、サプライヤーとの緊密な関係を育みながら、地元生産へのこだわりはこの伝統をさらに強固なものにしている。品質と永続性を重視することで、彼らは不朽の価値を保持するタイムレスな衣服を生み出している。パロマ・ランナが言うように、「私がデザインするときに目指しているのは、母から娘へと受け継がれる服を作ることです。私たちの服が、その人の手元に長く残ることを願っています」と語っている。プロジェクトはデジタルから出発しているにもかかわらず、オンライン・コミュニティが活気づく物理的なスペースとの関わりをますます強めている。その一方で、創造的な探求と協力は、アート部門における特に強力なネットワークを培い、プロジェクトの成長をさらに豊かなものにしている。PW World Tourに代表される具体的な存在感の拡大は、デジタルの世界を超えて個人的にコミュニティと関わることを目指している。